・・・それは迎いに来た兄さん達でした。 宮沢賢治 「雪渡り」
・・・女房丁度雨がふり出したので傘をもって迎いに来る。行き違いになったのだろうと云ってかえる。その間に女は、線路のどこかで、人足に――土方に会い、お嫁に来ないか、女房にならないかと云われ、そのまま一緒に夕暮二三時間すごす。すぐどうかなったのなり。・・・ 宮本百合子 「一九二五年より一九二七年一月まで」
・・・祖母とは特別深い繋りがあった人なので、寒くもなるしそれをよい知らせに迎いが立った。従弟の歓迎の意味で近親の者が集って晩餐を食べた時、私は帰ってから始めて祖母に会った。子供のように、赤いつやつやした両頬で、楽しそうにはしていたが、二三ヵ月前に・・・ 宮本百合子 「祖母のために」
出典:青空文庫