かえりうち【返り討ち】
1 かたきを討とうとして、逆に相手に討たれること。転じて、相手に仕返しをしようとして、逆にやられること。「—にあう」 2 襲ってくる者を打ち負かすこと。「暴漢を—にする」
かえりぐま【返り隈/返り暈】
日本画で、彩色した上を白色や明るい色調の顔料などで隈取ること。逆隈 (さかぐま) 。
かえりごえ【返り声】
雅楽や声明 (しょうみょう) で、呂 (りょ) から律へ、または律から呂へと調子を転じること。また、その声。
かえりごと【返り言/返り事】
《「かえりこと」とも》 1 使者が帰って報告すること。また、その言葉。「三年 (みとせ) に至るまで—申さざりき」〈記・上〉 2 人からの手紙や歌などに対する返事。返答。返歌。「心まどはすやうに—したる、よからぬことなり」〈徒然・二三四〉 3 人からの贈り物に対する返礼。おかえし。「ある人、鮮らかなるもの持て来たり。米 (よね) して—す」〈土佐〉
かえりざき【返り咲き】
1 春の花が小春日和に誘われて、時節でもないのにまた咲くこと。狂い咲き。二度咲き。《季 冬》 2 一度失った地位に再び就くこと。カムバック。
かえりじ【返り字】
漢文を訓読する際、文字の順序とは逆に、下の字を読んだあとで、読む字。その漢字の左下に返り点をつけて示す。返し字。 [補説]「易レ学(学び易 (やす) し)」の「易」や、「宜レ慎(宜 (よろ) しく慎むべし)」の「宜」など。「宜」のように二度読むものは特に再読文字ともいう。
かえりしょうがつ【返り正月】
正月15日のこと。小正月。もどり正月。
かえりしょにち【返り初日】
芝居などで、興行中にいったん休んだあと、同じ演目で再び開演する最初の日。
かえりち【返り血】
1 相手を切ったり刺したりしたときに、はねかかってくる血。「—を浴びる」 2 (比喩的に)ある行動を起こした反動として生じる、好ましくない事柄。「増税強行によって支持率低下の—を浴びる」
かえりちゅう【返り忠】
主君に背いて敵方に通じること。裏切り。また、いったん背いた者が、再び忠義を尽くすこと。「—を、真の忠誠だと看ることは、生れ附いた人間の感情が許さない」〈鴎外・大塩平八郎〉