・・・だが今日、毎日ちゃんと通学している学生が、殆ど有産階級の子弟だということは、民主日本の建設にとって、どういう重大なマイナスであろう。学生も食うために闇屋さえやっている。憲法で云われているだけでは駄目である。実際の可能を作って行かなければ、教・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・そこで家に引きとられ、通学で十七の年法律学校を卒業した。バルザックが、文筆生活をはじめたのはそれから三年後、二十歳のときであるが、それも決してすらりと行ったわけではなく、父親ベルナールは息子を法律家に仕立てて立身させようと考えた。そしていよ・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
・・・通勤・通学のための交通費のおそろしいはね上り、またこの夏から一段とひどくなった諸物価のはねあがり。婦人靴下一足千何百円という暮しのなかで、大やみ屋や利権屋以外のすべての勤労人民の苦しみは言語に絶してきました。 なかでも苦しいのは婦人です・・・ 宮本百合子 「婦人大会にお集りの皆様へ」
・・・疎開した勤人、疎開している学生は、都会の住居難から、たいていは遠距離を通勤、通学している。その人達の交通費は、この度の国鉄の値上によって、非常な打撃を蒙る。或る家庭は距離の関係から通学している息子のために一年に千円の交通費を予算しなければな・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫