す・ぎる【過ぎる】

の解説

［動ガ上一］［文］す・ぐ［ガ上二］

1. １ ある場所を通り越す。通過する。通りすぎる。「列車は京都駅を—・ぎた」「優勝パレードが—・ぎて行った」「嵐が—・ぎる」

1. ２ 時間が経過する。時がたつ。時が移り、その時間・時期が終わりになる。「予定の時間が—・ぎる」「—・ぎた昔を懐かしむ」「夏休みもあっけなく—・ぎた」「盛りを—・ぎる」

1. ３ 一定の数量をこえる。「六十を—・ぎても髪は黒々している」「二十 (はたち) を—・ぎる」

1. ４ 普通の程度・水準をこえている。「いたずらが—・ぎる」「わがままが—・ぎる」

1. ５ （「…にすぎる」の形で）つりあわないほどすぐれている、勝 (まさ) る。分以上である。「彼には—・ぎた女房だ」「これに—・ぎる名誉はない」

1. ６ （「…にすぎない」の形で）ただ…であるだけのことである。それ以上のものではない。…でしかない。「小学校時代はごく平凡な生徒に—・ぎなかった」「今日の事件は氷山の一角に—・ぎない」

1. ７ （動詞の連用形、形容詞・形容動詞の語幹などに付いて）行為・状態などが度をこえている。はなはだしく…する。または、はなはだしく…である。「めだち—・ぎる」「働き—・ぎる」「テレビの音が大き—・ぎる」「欲がなさ—・ぎる」「地味—・ぎる着物」

1. ８ 生活する。生計を立てる。

   1. 「薪をとりて世を—・ぐるほどに」〈宇治拾遺・一〉

1. ９ 一生が終わる。死ぬ。

   1. 「ま草刈る荒野にはあれど黄葉 (もみぢば) の—・ぎにし君が形見とそ来 (こ) し」〈万・四七〉

1. 10 やりすごす。

   1. 「そしり笑はるるにも恥ぢず、つれなく—・ぎてたしなむ人」〈徒然・一五〇〉

類語

• 経つ(たつ)
• 経る(へる)
• 移る(うつる)

関連語

• 過ぎ去る(すぎさる)
• 過ぎ行く(すぎゆく)

下接句

• 口が過ぎる
• 言葉が過ぎる
• 度が過ぎる
• 身に過ぎる
• 偃鼠(えんそ)河に飲むも満腹に過ぎず
• 思い半ばに過ぐ
• 鷦鷯(しょうりょう)深林に巣くうも一枝(いっし)に過ぎず
• 白駒(はっく)の隙(げき)を過ぐるが如(ごと)し

出典：デジタル大辞泉（小学館）

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