・・・民主的出版の確立のために、用紙の適正な配給を監視するという仕事は、反動文化との闘いの最も根本的な必要だと思います。『新日本文学』の発行が用紙問題で定期的にゆかないということは、新日本文学会全体の活動に、重大なマイナスとなっていることは、・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・「法令が適正に運用されているかどうかを注意し、いやしくも非道、不正を発見したときにはこれが是正につとめなければならない。これは個人の被告人がいかなることをしたかということを離れて、公の公共的な立場において国家のために監視しなければならない。・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・女の体で出来ない仕事の種類もあって、そのための規定もつくられているのだが、女子の適正賃銀がきめられた結果、これ迄より一層収入が減って動揺している部分があるということも、ひとくちに、金が目あての心掛けではと云いすてることも出来まい。 女の・・・ 宮本百合子 「働く婦人」
・・・これは成程今までの諸官省の据置月給のひどさから見れば、一応適正な処置である。しかし家計簿と最低賃金四百五十円也というものを睨み合せて見ると、不思議なことが起る。国鉄の非常識な値上、公定価格の全般的吊上げが発表されている。今日、疎開している人・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・ 二 家賃 おそろしい住宅難の折から、きのうきょう厚生省と警視庁との意見にくいちがいが示されている適正家賃算出法の問題は、日本全国の借家人が注意をあつめて成行きを案じていることがらだと思う。 日本全国の人口・・・ 宮本百合子 「私の感想」
出典:青空文庫