・・・ とにかく、これに関してはやはり『野鳥』の読者の中に知識を求めるのが一番の捷径であろうと思われるので厚顔しくも本誌の余白を汚した次第である。 寺田寅彦 「鴉と唱歌」
・・・熱心な野鳥研究家のうちにもしこの実測を試みる人があれば、その結果は自分の仮説などはどうなろうとも、それとは無関係に有益な研究資料となるであろう。 星野温泉はちょっとした谷間になっているが、それを横切って飛ぶことがしばしばあった。そういう・・・ 寺田寅彦 「疑問と空想」
「鴫突き」のことは前に何かの機会に少しばかり書いたことがあったような気がするが、今はっきり思い出せないし、それに、事柄は同じでも雑誌『野鳥』の読者にはたぶんまた別な興味があるかもしれないと思うからそういう意味で簡単にこの珍し・・・ 寺田寅彦 「鴫突き」
・・・こんな時に、野鳥の巣はどうなるのかしらん。 それはそうと、今朝早く起きて岡田さんのところへ行くなどと云って居たが好い事をしたと思う。 私のすきでさして居る頭ほか入りそうにない小さい傘を幾本さしたところで、この雨では凌げるものではない・・・ 宮本百合子 「無題(三)」
出典:青空文庫