きんゆうもちかぶがいしゃ【金融持(ち)株会社】
銀行・証券会社・保険会社などが設立する持株会社で、傘下の子会社が金融関連の事業を営む会社。一般の事業会社を傘下におくことは制限されている。平成9年(1997)独禁法の改正に伴い、設立が認められるようになった。三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、野村ホールディングス、日興シティホールディングス、東京海上ホールディングスなど。
きんゆうエーディーアール【金融ADR】
金融分野における裁判外紛争解決制度(ADR)。平成21年(2009)の金融商品取引法等改正により創設された。金融機関と利用者の間で発生した紛争を裁判で解決しようとすると、利用者側の負担が重くなるため、指定紛争解決機関が中立・公正な立場から簡易で迅速な解決手段を提供する。指定紛争解決機関は、銀行・証券・保険などの業態ごとに主務大臣が指定する。平成22年(2010)10月以降、金融機関には指定紛争解決機関との契約締結が義務付けられる。契約には苦情処理・紛争解決手続の応諾、事情説明・資料提出、手続き実施者の解決案の尊重などの内容が含まれる。
きんゆうシステムレポート【金融システムレポート】
日本銀行金融機構局が作成する、金融システムに関するレポート。日本の金融システムの安定度・機能度などに関して包括的な分析を行う。潜在的リスクを予防的に検証することで、金融システムの安定化を図ることを目的とする。平成17年(2005)に開始され、平成19年(2007)から年2回発行。
きんゆうせいりかんざいにん【金融整理管財人】
預金保険法の規定に基づいて、破綻した金融機関の業務の整理や財産の管理を行う人。内閣総理大臣の委任を受けた金融庁長官が弁護士・公認会計士・金融実務家から選任する。預金保険機構が任命される場合もある。
きんゆうりっこく【金融立国】
金融業を振興・発展させたり、金融システムを整備したりすることで国の繁栄を図ること。 [補説]1980年代に金融自由化を積極的に推し進めた米国・英国・アイスランドなどは、規制緩和により国内の金融市場を開放し、国外から資金を集めることによって経済を発展させたが、投機性の高い金融取引を容認したことなどから過剰流動性が生じ、バブル経済が発生・崩壊し、金融危機を招く結果となった。こうした新自由主義的アプローチによる金融立国の破綻をふまえた上で、民主党菅直人政権は、平成22年(2010)6月に発表した新成長戦略の中で、金融の役割を「実体経済、企業のバックアップ役としてそのサポートを行うこと」とし、アジアの金融センターとして新興国へ資金を供給する形での「新金融立国」構想を打ち出した。
きんゆうえんかつかほう【金融円滑化法】
⇒中小企業金融円滑化法
きんゆうきせい【金融規制】
金融システムの健全性・安定性を確保するために、金融監督当局や自主規制機関が金融市場や金融機関に関する規則を定め、金融取引に一定の制限を加えること。
きんゆうきせいきょうかほう【金融規制強化法】
金融機関に対する規制監督を強化する米国の法律。2010年7月成立。2008年のリーマンショック等に端を発する金融危機を受けて、再発防止を目的として、大規模金融機関に対する監督強化、高リスク取引の制限、住宅ローン等の消費者取引の規制強化などの規定が盛り込まれている。正式名称は「Dodd-Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act」(ドッド‐フランク‐ウォールストリート改革および消費者保護法)。ドッド‐フランク法。
きんゆうけんさマニュアル【金融検査マニュアル】
《「預金等受入金融機関に係る検査マニュアル」の通称》金融庁の検査官が、預金を受け入れる銀行等の金融機関を検査する際の手引書。検査項目は経営管理体制・自己資本比率・リスク資産の保有状況・中小企業への融資・法令順守体制など多岐にわたり、詳細な判断基準が示されている。平成9年(1997)に公表され、その後も改訂が重ねられている。
きんゆうシステムかいかくほう【金融システム改革法】
《「金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律」の略称》1990年代に内閣総理大臣橋本龍太郎が主導した金融制度改革(金融ビッグバン)を一体的に進めるために、平成8年(1996)に制定された法律。証券取引法・証券投資信託法・銀行法・保険業法等を一括して総合的に改正するもので、証券デリバティブの全面解禁、銀行・証券・保険間の相互参入の促進、私設取引システムの導入、ディスクロージャーの充実などが行われた。