-
本紙の文芸時評で、長与先生が、私の下手な作品を例に挙げて、現代新人の通性を指摘して居られました。他の新人諸君に対して、責任を感じましたので、一言申し開きを致します。古来一流の作家のものは作因が判然していて、その実感が強く、・・・
太宰治
「自信の無さ」
-
・・・ ○彼等の運命の裡に於て、長与氏は、性慾を極端にまで厭うべき文字で呼んで居る。「結婚した許りの夜と同じく獣の真似をして居た。」或は「獣的遊戯」と呼んで居る。然し、性慾は、或は夫婦間の交接と云う事は、左様云うような不正な、根本・・・
宮本百合子
「黄銅時代の為」