・・・ 男と同じ長時間、女性の生理にとっては男よりもこたえる労力、搾取にあい、それでいて、ひどい差別待遇をうける世界のプロレタリア婦人は、資本主義の社会機構が立て直されて、社会主義の社会が建設される時こそ、文化における男女の差別は無くなるもの・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・ カザンに来てからゴーリキイは数人の急進的インテリゲンツィアと知り合いになって、時々その研究会などへも出るようになっていた。長時間ぶっつづけの討論は時に彼を苦しめ、またこれらの「人民主義」の学生達が、むっつり黙って、だが全身の注意を集め・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
・・・それはよいとして、道徳的に低下した環境や、若い女性のためには苦痛の多い設備の場所で長時間働かされるということについては、当然な不安と不賛成とを感じた。今日当時の雑誌を繰り拡げてみると、何と到るところで「母親の再教育」ということが言われている・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・一人の人間が生きることは、何等かの意味で認識の拡張を意味し、屡の失敗に於てさえも尚、貴重な経験の一部を、全群の生存の為に寄与しているからこそ、長時間の生活、日々が愛され、尊まれたのです。 この時代から見れば、私共現在生きる社会は、原人の・・・ 宮本百合子 「われを省みる」
出典:青空文庫