えんまおう【閻魔王】
インド神話で、正法・光明の神。のち死の神と考えられ、仏教では、冥界 (めいかい) の王、地獄の王として、人間の死後に善悪を裁く者とされる。閻魔。閻魔大王。閻魔羅 (えんまら) 。閻羅 (えんら) 。閻王。
えんまがお【閻魔顔】
閻魔王のような恐ろしい顔つき。えんまづら。
えんまこおろぎ【閻魔蟋蟀】
コオロギの一種。日本産では最大のコオロギで、体長約2.5センチ。体は褐色または黒褐色で、晩夏、雄はコロコロコロリと鳴く。顔面の感じが閻魔王を連想させるのでいう。
えんまそつ【閻魔卒】
閻魔王に使われて、罪人を責めるという鬼。獄卒。阿防羅刹 (あぼうらせつ) 。
えんまだいおう【閻魔大王】
閻魔王の敬称。
えんまちょう【閻魔帳】
1 閻魔王が死者の生前の行為や罪悪を書きつけておくという帳簿。 2 教師が受け持ちの生徒の成績や出欠などを記入しておく手帳の俗称。
えんまちょう【閻魔鳥】
地獄めぐりのからくりの中で、罪人を追いつめる、作り物の鳥。寛文(1661〜1673)のころ評判になった。「一年は—とて作り物珍しく」〈浮・永代蔵・四〉
えんまてん【閻魔天】
八方天・十二天の一としての閻魔王の称。南方の守護神。図像は冥界十王の場合と異なり、水牛に乗り左手に人頭の幢 (どう) を持つ姿に表し、密教で、除病・延寿祈祷 (きとう) などの本尊とする。
えんまてんくほう【閻魔天供法】
密教で、除病・延寿・安産などを祈るために閻魔王を本尊として行う修法。
えんまてんまんだら【閻魔天曼荼羅】
密教で、閻魔天供法を行うときに用いる曼荼羅。人頭の幢 (とう) を持ち、白い水牛に乗る温顔の閻魔王を中尊として描いたもの。