阿鼻叫喚の解説 - 三省堂 新明解四字熟語辞典

非常辛苦の中で号泣し、救いを求めるさま。非常悲惨でむごたらしいさま。地獄に落ちた亡者が、責め苦に堪えられずに大声で泣きわめくような状況の意から。▽「阿鼻」は仏教で説く八熱地獄の無間むけん地獄。現世で父母を殺すなど最悪大罪を犯した者が落ちて、猛火に身を焼かれる地獄。「叫喚」は泣き叫ぶこと。一説に八熱地獄の一つの大叫喚地獄(釜かまゆでの地獄)の意。
句例
阿鼻叫喚をきわめる
用例
幾十万にも及ぶ広島在住の無辜むこの民を一瞬にして阿鼻叫喚の地獄に晒さらしたということであります。<井伏鱒二・黒い雨>

阿鼻叫喚の解説 - 学研 四字熟語辞典

仏教のことばで、阿鼻地獄(無間地獄)と叫喚地獄のこと。地獄に落ちた亡者がさまざまな責め苦にあい、堪えられずに泣きわめく意から、悲惨でむごたらしいようすのたとえ。
注記
阿鼻叫喚地獄の略。阿鼻地獄と叫喚地獄は、ともに仏教でいう八大地獄のひとつ。「阿鼻」は、梵語の音訳で、絶え間なく。阿鼻地獄は、堪えがたい苦痛が絶え間なく襲うので、無間地獄ともいう。「叫喚」は、泣き叫ぶこと。叫喚地獄は、苦しみに堪えかねて、喚き叫ぶことからいわれる。
表記
「叫喚」を「狂喚」と書きちがえない。
用例
天上皇帝の御教みおしえに悖もとるものは、一旦命終めいしゅうの時に及んで、たちまち阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄に堕ち…。〈芥川龍之介・邪宗門〉

阿鼻叫喚の解説 - 小学館 デジタル大辞泉

  1. 仏語。阿鼻地獄と叫喚地獄とを合わせた語。地獄のさまざまの責め苦にあって泣き叫ぶようすにいう。

  1. 悲惨状況に陥り、混乱して泣き叫ぶこと。「一瞬の事故で車中は—の巷 (ちまた) と化す」

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