面置く
顔向けをする。多く「面置かむ方 (かた) なし」の形で、恥ずかしくて顔向けができない意に用いる。「—・かむ方なくぞおぼえ給ふや」〈源・真木柱〉
面も振らず
わき目も振らず。まっしぐらに。「—戦ひけるが、大敵凌 (しの) ぐに叶 (かな) はねば」〈太平記・八〉
面を冒す
目上の人の気持ちに逆らうのを恐れずにいさめる。「—・して苦言を呈する」
面を起こす
面目をほどこす。名誉をあげる。「よき女子 (むすめご) は、親の面をも起こすものにはあらずや」〈宇津保・国譲中〉
面を輝かせる
喜び・興味・希望の思いがあふれて、生き生きとした表情を示す。「吉報に—◦せる」
面を曝す
1 人前に顔を現す。「報道陣に—・す」 2 人前で恥をかく。「かやうに—・す事、前世のむくひといひながら」〈謡・千手〉
面を伏す
面目を失う。名誉を傷つける。「亡き親の—・せ、影を恥づかしむるたぐひ」〈源・若菜上〉
面を向かう
1 顔を向ける。対面する。「是を射そんずる物ならば、弓きりをり自害して、人に二たび—・ふべからず」〈平家・一一〉 2 まともに立ち向かう。正面から敵対する。「十万余騎にて都を立ちし事柄は、なに—・ふべしとも見えざりしに」〈平家・七〉
おもてうた【面歌】
面目をほどこすような歌。すぐれた和歌。代表的な歌。「御詠の中にはいづれをかすぐれたりとおぼす。…是をなん身にとりては—と思ひ給ふる」〈無名抄〉
おもておこし【面起こし】
面目をほどこすこと。名誉を回復すること。おもてだて。「何事にもはかばかしからぬみづからの—になむ」〈源・賢木〉