・・・これが、いまの私にとって、最も大切な項目である。お茶の席に於いて大いなるへまを演じ、先生に叱咤せられたりなどする事のないように、細心に独習研鑽して置かなければならぬ。 まず招待を受けた時には、すぐさま招待の御礼を言上しなければならぬ。こ・・・ 太宰治 「不審庵」
・・・以上三項目、入院の前夜したためた。このたびの入院は私の生涯を決定した。 太宰治 「碧眼托鉢」
・・・そのほか、甚だけちのようなれども、題名を言われぬもの、十七八項目くらい。少しずつノオトに書きしるしていっているのであるが、いま、「文芸雑誌。」創刊号になにか書くことをすすめられ、何を書こうかと、ノオトを二冊も三冊も出してあちらを覗き、こちら・・・ 太宰治 「もの思う葦」
・・・ ついでながら、自分のような門外漢がこの講座のこの特殊項目に筆を染めるという僣越をあえてするに至った因縁について一言しておきたいと思う。元来映画の芸術はまだ生まれてまもないものであってその可能性については、従来相当に多数な文献があるにも・・・ 寺田寅彦 「映画芸術」
・・・一通りの定まった版行で押した項目だけを暗誦的に説明してしまえばそれでもうおしまいで先様御代りである。少し詳しく立止まって見たいと思う者があっても、大勢に追従して素通りをしてしまわなければならない。吾人が学校で学問を教わるのは丁度このようなも・・・ 寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
・・・ 結語 科学と文学という題のもとに考察さるべき項目はなお多数であろうが、まずこのへんで擱筆して余は他の機会に譲ることとする。 緒論で断わってあるとおり、以上の所説は、特殊な歴史と環境とをもった一私人の一私見に過ぎ・・・ 寺田寅彦 「科学と文学」
・・・ただある、割合に少数な項目の、多数な錯列によっていろいろの顔の印象ができている。その中に若干「相似」を決定するために主要な項目の組み合わせがあってこれだけが具備すれば残りの排列などはどうでもいいのだろう。この主要の組み合わせを分析するという・・・ 寺田寅彦 「自画像」
・・・祭祀その他宗教的儀式と連関していろいろの巫術魔術といったようなものも民族の統治者の主権のもとに行なわれてそれが政治の重要な項目の一つになっていたように思われる。 そうした祭祀や魔術の目的はいろいろであったろうが、その一つの目的はわれわれ・・・ 寺田寅彦 「自由画稿」
・・・ 以上述べたような項目の外に著しく多数に散在しているのは有職故実その他あらゆる知識に関するノートと云ったものである。これらも分類的に研究したら面白そうであるが今回は暇がないから略する。とにかく一方では遁世守愚をすすめながらも、また一方で・・・ 寺田寅彦 「徒然草の鑑賞」
・・・限られた紙幅の中に規定されただけの項目を盛り込まなければならないという必要からではあろうが、実にごたごたとよく色々のことが鮨詰になっている。一頁の中に三つも四つもの器械の絵があったりする。見ただけで頭がくらくらしそうである。そうしてそれらの・・・ 寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
出典:青空文庫