風枝を鳴らさず
《「論衡」是応から》世の中が静かに治まっていて、太平なさま。
風薫る
初夏、風が若葉の上を渡ってさわやかに吹く。「—・る五月」《季 夏》「—・る羽織は襟 (えり) もつくろはず/芭蕉」
風が吹けば桶屋が儲かる
意外なところに影響が出ること、また、あてにならない期待をすることのたとえ。風が吹くと土ぼこりがたって目に入り盲人が増える。盲人は三味線で生計を立てようとするから、三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとねずみが増え、ねずみが桶をかじるから桶屋がもうかって喜ぶということ。大風が吹けば桶屋が喜ぶ。
風冴ゆ
風が、冷たく身に染み通るように吹く。《季 冬》「さざ浪や志賀の唐崎—・えて比良 (ひら) の高嶺にあられ降るなり」〈新古今・冬〉
風に櫛り雨に沐う
《「魏志」鮑勛伝から》「櫛風沐雨 (しっぷうもくう) 」に同じ。
風に順いて呼ぶ
《「荀子」勧学から》風上から風下に向かって呼べば声がよく届くように、勢いに乗じて事を行えば成功しやすいというたとえ。
風に付く
1 (「付く」が四段活用の場合)風に乗る。「琴 (きん) の声—・きてはるかに聞こゆるに」〈源・須磨〉 2 (「付く」が下二段活用の場合)風に託する。「—・けて知らぬ国に吹き寄せられて」〈竹取〉
風に靡く草
《「論語」顔淵から》権力者のいうがままになる人民、または、徳の高い人に服従する小人 (しょうじん) をたとえた言葉。
風に柳
柳が風になびくように、相手を適当にあしらって、逆らわないようす。→柳に風
風の吹き回し
その時々の模様しだいで一定しないことにいう。その時々の加減。「どういう—か今日はいやに親切だ」