1 偶蹄 (ぐうてい) 目ラクダ科の哺乳類のうち、ヒトコブラクダとフタコブラクダの総称。体は黄褐色で四肢と首が長く、背中に脂肪を蓄えたこぶが一つまたは二つある。鼻孔を自由に閉じることができるなど、砂漠の暮らしに適応し、砂漠の舟とよばれる。ともに古くから家畜とされ、ヒトコブラクダは北アフリカ・アラビア半島に、フタコブラクダは中央アジアにみられる。野生のものはほとんどない。
2 ラクダの毛で作った糸や織物。「—のシャツ」
3 夫婦また男女が二人連れ立って歩くこと。
「隠居夫婦参り下向する身は—」〈咄・新板一口ばなし〉
4 形だけ大きくて品質の悪いもの。
「—の薩摩芋だと思ふか」〈伎・御国入曽我中村〉
出典:青空文庫
・・・が、ソロモンの使者の駱駝はエルサレムを囲んだ丘陵や沙漠を一度もシ・・・ 芥川竜之介「三つのなぜ」
・・・そら、駱駝の背中みたいなあの向う、あそこへ行きねえ。」と険突を食・・・ 小栗風葉「世間師」
・・・ら、かなり上等らしい駱駝色のアンダアシャツを拾い上げ、「はだかで・・・ 太宰治「乞食学生」