きこく-しゅうしゅう【鬼哭啾啾】
悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響くさま。転じてものすごい気配が漂い迫りくるさま。▽「鬼哭」は浮かばれない霊魂が声を上げて泣き悲しむこと。「啾啾」はしくしくと泣く声の形容。
- 出典
- 杜甫とほ「兵車行へいしゃこう」。「君見ずや…、新鬼は煩冤はんえんし旧鬼は哭し、天陰くもり雨湿うるおうとき声啾啾たるを」(諸君は見聞きしなかったか…、死んで間もない亡霊はもだえ恨み古い霊魂は泣き叫び、空がくもり雨にしめるときには亡霊の泣く声が悲しげにひびいているのを)
- 句例
- 鬼哭啾々とした戦場、鬼哭啾々たる気配
- 用例
- この広いビルマには、全国にどれほどの同胞がこうした姿になったままでいるかわかりません。鬼哭啾々とはこのことです。<竹山道雄・ビルマの竪琴>
- 活用形
- 〈―タル〉 〈―ト〉