けいめい-くとう【鶏鳴狗盗】
小策を弄ろうする人や、くだらない技能をもつ人、つまらないことしかできない人のたとえ。また、つまらないことでも何かの役に立つことがあるたとえ。▽「鶏鳴」は鶏の鳴きまねをすること。「狗盗」は犬のようにこそこそと、わずかばかりの物を盗むこと。卑しいことをして人をあざむく者のたとえ。
- 出典
- 『史記しき』孟嘗君伝もうしょうくんでん
- 用例
- いたずらに硬語を吐き、身に鶏鳴狗盗の術なくして、しかも治国平天下を談ず<犬養木堂・都人士>
- 故事
- 中国戦国時代、秦しんの昭王しょうおうに捕らえられた斉せいの孟嘗君もうしょうくんが、犬のまねをして盗みを働く食客と、巧みに鶏の鳴きまねのできる食客を利用して、無事に逃れた故事から。