鸚鵡よく言えども飛鳥を離れず
《「礼記」曲礼上から》鸚鵡は人間の言葉をまねてうまく話すが、やはり鳥でしかない。口先ばかり達者で、実際の行動が伴わないことをいうたとえ。
おうむいし【鸚鵡石】
1 山間などにある、音をよく反響する岩石。言葉石。響き石。おうむせき。 2 「おうむせき2」に同じ。
おうむがい【鸚鵡貝】
頭足綱オウムガイ科の軟体動物。カンブリア紀に出現し古生代前半に繁栄。現在、4あるいは6種が熱帯海域にすみ、生きている化石とよばれる。現生種は殻長約20センチ、平面に螺旋 (らせん) 形に巻いた白い殻がオウムのくちばしを思わせる。殻の最外部の室にタコに似た軟体部があり、触手を雄で約60本、雌で約90本もち、吸盤はない。
おうむがえし【鸚鵡返し】
1 他人の言ったとおりに言い返すこと。「—に答える」 2 和歌の詠み方の一。相手から詠みかけられた歌の一部だけを変えて、別の趣向で返歌すること。 3 酒宴の席で、相手の差す杯を干して、すぐ返杯すること。
おうむせき【鸚鵡石】
1 「おうむいし1」に同じ。 2 歌舞伎の名せりふを書き抜いた本。役者の声色 (こわいろ) の練習用に出版された。おうむいし。 3 人の言ったことを、そのままに真似ていうこと。「先刻桐山から聞いた事をば、全然 (まるきり) —で喋口 (しゃべ) りたてる」〈逍遥・当世書生気質〉
おうむのさかずき【鸚鵡の杯】
鸚鵡貝・阿古屋 (あこや) 貝など真珠光沢のある美しい貝でつくった杯。曲水の宴などで用いられる。おうむはい。
おうむびょう【鸚鵡病】
オウム・ハトなど鳥類の伝染病。病原体はオウム病クラミジアで、人間にも感染し、発熱・頭痛・せき・血痰 (けったん) などの症状を呈する。感染症予防法の4類感染症の一。