こうけんようふ【黄絹幼婦】
「
絶妙」の
隠語。二人の
判断がぴったり
一致していることのたとえ、また、解釈などがきわめて
正確なことのたとえ。すばらしい文章のたとえなどにも用いられる。
- 注記
- 「黄絹」は、色のついた糸で「絶」の字、「幼婦」は、少女で「妙」の字であることから。
- 故事
- 中国後漢の時代、魏の曹操そうそうが江南にある曹娥そうがの碑を訪れたとき、碑の裏側に「黄絹幼婦外孫齏臼こうけんようふがいそんせいきゅう」の文字があった。曹操はその文字の意味がわからないので、付き従っている楊脩ようしゅうに「わかるかどうか」とたずねると、楊脩は「わかりました」と答えた。曹操は「わしが考えつくまで答えを言うな」と言って、道々考えたところ、「黄絹」は色糸で「絶」、幼婦は少女で「妙」といった具合に謎ときをして、碑文の意味が「絶妙好辞」であることがわかった。しかし、碑文の謎を全部解いたときには三〇里も過ぎていた。曹操は「わしの才は楊脩には遠く及ばない。その差は三〇里もあることを悟った」と語ったという。
- 出典
- 『世説新語せせつしんご』捷悟しょうご