・・・2、吉田首相は「放談」ぐせがつきすぎました。タイコモチにばかりかこまれて、半面自分自身のホーカン性によって。3、南原総長の抗議を支持します。4、南原氏を抑えても、生きている人間の理性と税をはらって役人を生活させている人民の判断は・・・ 宮本百合子 「戦争・平和・曲学阿世」
・・・フランスの元首相ポアンカレー、外相ブリアン、英国の労働党外相ヘンダアソン等の嘘の皮が骨までひきはがれた。 全ソヴェト作家団体協議会では、直に、真剣な産業擾乱陰謀についての批判大会を開いた。あらゆるソヴェトの印刷物は、この陰謀発覚について・・・ 宮本百合子 「ソヴェト文壇の現状」
・・・ 私は、庭が、せめてありのままの自然の一部を区切って僅の修正を施した程度のものでありたい。本当の野山をいくら捜してもない樹木の配置、木と木との組み合わせ等を狭い都会の空地に故意とらしく造るより、自然の一隅で偶然出会って忘られない印象・・・ 宮本百合子 「素朴な庭」
・・・ プレハーノフの女弟子、ソヴェト同盟のマルクス主義機械論的修正派の最も有名な代表者アクセリロードは、「トルストイの創作を批評するのにもスピノザの哲学を分析する際にも、彼女は永久不変の道徳法から出発している。彼女は、新カント派と多くの・・・ 宮本百合子 「婦人作家は何故道徳家か? そして何故男の美が描けぬか?」
・・・そうしたら七十二歳の老人が主唱で更に「外套無し」を宣伝しはじめているというニュースが新聞に出ていました。 この間東北の或る地方へ旅行したひとの話に、そこの町ではバスの運転手が若い女になっていたそうです。バスの車掌さんはどこでも若い娘さん・・・ 宮本百合子 「二人の弟たちへのたより」
・・・ 事情は推移して、プロレタリア文学時代は過ぎたのであったが、この文学を押し流した時代の波は、純文学を主唱した知識人の社会的ありようにも激しく荒っぽい動揺を加えた。そしてそのひどい震盪は、純文学の枢軸であった人間としての自我の拠りどころを・・・ 宮本百合子 「文学精神と批判精神」
・・・農民の中から、赤衛軍に参加して銃を取り工場を守った労働者の中から、それ等の人々は技術的には未熟だが、これまでの世界に在った文学を根本から修正した階級的立場から、文学活動を始めた。 ところが、新経済政策は個人資本を認めた――云い換えれば、・・・ 宮本百合子 「文壇はどうなる」
・・・村山主将が立ってマイクの前であいさつしている。左側に古橋、橋爪その他の選手たちが並んでかけているのだが、その五人はいっせいに頭を下げ視線をおとし、悲壮めいた緊張につつまれている。快活な、スポーティな雰囲気よりも、かたい決意のみなぎるこの写真・・・ 宮本百合子 「ボン・ボヤージ!」
・・・「私は、長い間泣き面をして、その修正し難い奇怪事を眺めていた。」どうにも仕方なく遂に「想像力でもって修正することにした。」ゴーリキイは鉛筆をとり、先ず家の正面のすべての蛇腹と屋根の棟飾の上に烏や鳩、雀などを描いた。窓の前の地べたの上には洋傘・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・レーニンが指導するボルシェヴィキと修正派ボグダーノフとがマルクス主義哲学について大論争を行っていた当時、プロレタリアの世界観をわがものにしていない「マルクス主義者に近いもの」であったゴーリキイははなはだしく動揺して、ボグダーノフと雑誌を出し・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
出典:青空文庫