[動カ下一][文]つ・く[カ下二]
  1. あるものが他のものから離れない状態にする。

    1. ㋐表面に密着させる。くっつける。付着させる。「おしろいを—・ける」「マニキュアを—・ける」「扉に金具を—・ける」

    2. ㋑主となるものに他のものを加える。何かに添えたり、付属させたりする。「利息を—・ける」「振り仮名を—・ける」「部屋にクーラーを—・ける」

    3. ㋒あとを残す。あとに残るように書きとめる。しるす。印する。「しみを—・ける」「日記を—・ける」

    4. ㋓ある性質・能力などがそなわるようにする。「悪知恵を—・ける」「技術を身に—・ける」

    5. ㋔ある物事状態作用などを新たに生じさせたり、増し加えたりする。「雪をかいて道を—・ける」「丸みを—・ける」

  1. (着ける)

    1. ㋐からだにまとわせたり、帯びたりする。衣服などを着る。着用する。「はかまを—・ける」「犬に首輪を—・ける」

    2. ㋑乗り物をある場所に寄せ止める。「船を岸に—・ける」「車寄せに—・ける」

    3. ㋒からだのある部分を何かに届かせる。近寄せて触れさせる。「頭を地に—・ける」「頰と頰を—・ける」

    4. ㋓ある場所位置させる。命じて一定の所にいさせる。「走者をスタートラインに—・ける」

    1. ㋐あとに続き従わせる。あとに続く。「好位置に—・けている」「2位に—・ける」

    2. ㋑ある立場に心を寄せさせて従わせる。「味方に—・ける」

    3. ㋒人をそばに置く。そばにいさせて世話をさせる。「ボディーガードを—・ける」「付き添いを—・ける」

    4. ㋓あとを追う。尾行する。「少し離れて—・けて行く」

  1. ある働きを発動させる。活動開始させる。

    1. ㋐働きを盛んにする。「食欲を—・ける」「元気を—・ける」

    2. ㋑(点ける)燃えるようにする。また、あかりをともす。スイッチなどを入れて器具作動させる。「枯れ草に火を—・ける」「電灯を—・ける」

    3. 五感でとらえる。感覚器官を働かせる。注意を向ける。「気を—・ける」「目を—・ける」

  1. ある定まった状態をつくり出す。

    1. 解決させる。落着させる。まとめる。「話を—・ける」「けりを—・ける」

    2. ㋑ある名前値段にする。「題名を—・ける」「時価で値を—・ける」

    3. 意志を固める。「決心を—・ける」「死ぬ覚悟を—・ける」

  1. 連歌・俳諧で、前の句にうまくつながらせて、あとに句をつづける。

  1. 器に盛ったり燗 (かん) をしたりして、飲食物を用意する。「御飯を—・ける」「一本—・けてくれ」

  1. (「…につけ」「…につけて」の形で)…に関連して。…に伴って。…の場合も。「何事に—・け相談してください」「よきに—・け悪しきに—・け」「暑さ寒さに—・けて故郷を思う」

  1. 動詞の連用形に付いて)

    1. ㋐それをすることが習慣になっている、しなれている意を表す。「履 (は) き—・けている靴」「行き—・けない場所

    2. 相手に対してなされる行為の勢いが激しい意を表す。「たたき—・ける」「しかり—・ける」

    3. ㋒その行為が、ある対象に向けられる意を表す。「言い—・ける」

    4. 到着する、または来させる意を表す。「駆け—・ける」「呼び—・ける」

    5. ㋔しっかりととどめる意を表す。「心に刻み—・ける」

    6. ㋕鼻や目で感じとって、何かを探り当てる意を表す。「嗅 (か) ぎ—・ける」

[動カ下一][文]つ・く[カ下二]《「付ける」と同語源》
  1. ある地位役職にすえる。つかせる。「管理職に—・ける」「王座に—・ける」

  1. その人のもとで教えを受けさせる。師事させる。「声楽の先生に—・ける」「一流のコーチに—・ける」

[補説]1は、即位意味のときは「即ける」とも書く。
[動カ下一][文]つ・く[カ下二]
  1. 水などの中に入れておく。ひたす。「洗濯物を水に—・ける」「豆を一晩—・けておく」

  1. (漬ける)食材を、塩・糠 (ぬか) ・味噌 (みそ) ・麹 (こうじ) などの中に入れて、味をしみこませる。漬物にする。「梅の実を塩で—・ける」「大根を—・ける」

[用法]つける・[用法]ひたす——「足を湯につける(ひたす)」「魚を醤油につける(ひたす)」など、液体の中に入れる意では相通じて用いられる。◇「塩につける」「味噌につける」「大根をつける」「白菜をつける」は「つける」だけの用法で、「ひたす」は使わない。◇「布切れにアルコールをひたす」のように液体を含ませることは「つける」とは言わない。◇「ひたす」は液体を染み込ませ、ぬれた状態にすることに重点があり、「つける」は液体やその他のものの中に沈め入れることに重点がある。◇「漬け物」は塩をかけ重しを加えて一定時間そのままにしておくが、「浸し物」は熱湯でさっとゆでるだけである。

出典:青空文庫

出典:gooニュース

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