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『文芸春秋』の新年号に、作家ばかりの座談会という記事がのせられている。河豚礼讚、文芸雑誌の今昔などというところから、次第に様々の話題へ展開しているこの記事は、特に最後の部分、二・二六と大震災当時の心境についてそれぞれの出席者・・・
宮本百合子
「「迷いの末は」」
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・・・戦争のもたらした残酷な不具癈疾、神経及び精神の錯乱、女子及び青年の道徳的頽廃、――これらの恐ろしかるべき現象も、ただ空間の距たりのゆえに我々にはほとんど響いて来ない。 しかしこの直接印象の希薄は、想像力の集中と、省察の緊張とによって、あ・・・
和辻哲郎
「世界の変革と芸術」