レーリー家の祖先は一六六〇年頃エセックス州のモルドン附近に若干の水車を所有して粉磨業を営んでいた。一七二〇年頃ターリングに新しく住家を求め、その後 Terling Place の荘園を買った。その邸宅はもとノリッチ僧正の宮・・・ 寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
・・・ Uneasy lies the head that wears a crown. Kings frequently lamented the miserable consequences of being born to grea・・・ 夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
・・・妻君の妹が Good morning と答えた。吾輩も英語で Good morning といった。田中君はムシャムシャやっている。吾輩は Excuse me といって食卓の上にある手紙を開いた。「エッジヒル」夫人からこの十七日午後三時にゆる・・・ 夏目漱石 「倫敦消息」
・・・he beasts do wel behold and se,May deme with ease wherefore here made they beWithe borders wherein ……………………………………4・・・ 夏目漱石 「倫敦塔」
・・・パスカルの語を借りていえば、単に l'esprit de gomtrie[幾何学の精神]でなくて、l'esprit de finesse[繊細の精神]というものがあると思う。フランス哲学の特色は後者にある。同じデカルトの流を汲んだ人でも、マ・・・ 西田幾多郎 「フランス哲学についての感想」
・・・一例を挙ぐれば、マコーレーの文章などによくある in spite of の如きはそれだ。意味から云えば、二つとか、三つとか、もしくば四つとかで充分であるものを、音調の関係からもう一つ云い添えるということがある。併し意味は既に云い尽してあるし・・・ 二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
・・・こら楽隊、In the good summer time をやれ。」 楽隊の人たちは何べんもこの節をやったと見えてすぐいっしょにはじめました。山猫博士は案外うまく歌いだしました。「つめくさの花の 咲く晩に ポランの広場の 夏・・・ 宮沢賢治 「ポラーノの広場」
・・・せめて机に向って居る間、Holy Scribe の力のインボークされるように。 宮本百合子 「有島武郎の死によせて」
・・・ 十九日 ホテルで一緒に食事をし、夜はグランパがダディの packing を手伝う。三人で、夜フィテアにかえる。 二十日 ダディを二時四十分の汽車に見送り、三人でサブに乗り、村川氏に会いたいと云うので、送ろうとするAを強いて・・・ 宮本百合子 「「黄銅時代」創作メモ」
・・・榕子の言葉は、こんにち、こんどは美貌の女の唇をとおして日本の中で、語られる極めてインヒューマンな発言である。自分の夫を、なぐったり蹴ったりして殺した下士官広瀬に復讐を思い立つが、「目の前で見ていると、それは男らしくて美しい顔だちの人で」その・・・ 宮本百合子 「傷だらけの足」
出典:青空文庫