・・・この三人が、姫君のためにはハッピーエンド、彼らの目には悲劇であるかもしれない全編の終局の後に、短いエピローグとして現われ、この劇の当初からかかっていた刺繍のおとぎ話の騎士の絵のできあがったのを広げてそうして魔女のような老嬢の笑いを笑う。運命・・・ 寺田寅彦 「音楽的映画としての「ラヴ・ミ・トゥナイト」」
・・・ とにかくなかなか骨の折れた手のかかったメカニズムであるが所々に多少のがたつきがあったり大きな穴が見えたりするにしても、おしまいまで無事に連続して運転するのはなかなか巧妙なものである。 エピローグとして最初と同じ銀座鋪道の夜景が現わ・・・ 寺田寅彦 「初冬の日記から」
・・・そうして結局の大団円なりエピローグが来る。そういう形式がかなりはっきりしているのが目につく。 映画のタイトルに相当する詞書の長短の分布もいろいろ変化があって面白く、この点も研究に値いする。 二つのクライマックスの虐殺の場がかなり分析・・・ 寺田寅彦 「山中常盤双紙」
出典:青空文庫