チベットご【チベット語】
シナ‐チベット諸語に属する言語。チベット自治区とその周辺で話されている。文字は、チベット文字を用いる。サンスクリット仏典のチベット語訳をはじめ、多くの古い文献をもつ。
チベットこうきあつ【チベット高気圧】
夏にチベット高原の上空に現れる温暖高気圧。地表部は低圧になり、モンスーンの発達と関係が深い。
チベットこうげん【チベット高原】
中国南西部、ヒマラヤ山脈と崑崙 (こんろん) 山脈の間の高原。塩湖が多い。
チベットどうらん【チベット動乱】
中国によるチベット統治に対して1956年に勃発した、チベット人による独立運動。中国は1950年にチベット全域を武力で併合。協定に違反してチベット北部の社会主義化を強行したため、反発した民衆が蜂起した。中国の人民解放軍が弾圧を強める中、1959年にダライ=ラマ14世がチベットを脱出し、インド北部に亡命政府を樹立した。 [補説]動乱から約50年を経た2008年、ラサでチベット独立を求めて騒乱が発生。暴動は間もなく鎮圧されたが、チベット民族が多く住む中国四川省をはじめ世界各地で、中国に対する抗議運動が展開された。
チベットヒマラヤさんかい【チベットヒマラヤ山塊】
ヒマラヤ山脈およびチベット高原の高度3000メートル以上の部分の山塊。
チベットぶっきょう【チベット仏教】
7世紀、吐蕃 (とばん) 王国時代にインドから伝わり、チベットを中心に発展した大乗仏教の一派。後期インド仏教の教理と密教を継承。15世紀にゲルク(徳行)派がおこり改革。黄帽派といわれ、以後主流となり、ダライ=ラマはその教主。ほかに、非改革のニンマ(古)派など諸派がある。13世紀以降、モンゴル・シベリア、シッキムを含むヒマラヤ地域に広まった。ラマ教。
チベットもじ【チベット文字】
インド系文字にならって7世紀に成立した表音文字。左横書きで、基本字は、子音字30、母音記号4からなる。
チベットじちく【チベット自治区】
⇒チベット
チベットぼうめいせいふ【チベット亡命政府】
チベット動乱に対する中国政府の弾圧を逃れて亡命したダライ=ラマ14世が1959年インド北部に樹立した政府。当初ムスーリに置かれたが1960年5月ダラムサラに移転。正式名称は中央チベット政権。→ガンデンポタン
チベットすなぎつね【チベット砂狐】
食肉目イヌ科の哺乳類。褐色または灰褐色の厚い毛皮をもつ。チベットやネパールなどの乾燥地帯に生息。