・・・したがって、民主的文学の成長をたすけるために主導力たる階級の文学をおし出し、同時にその連関をもって具体的に現代文学の全野にふくまれているより大きい社会性への可能を、それぞれの道の上に安心して花咲かせるために協力するというよろこばしい活力を発・・・ 宮本百合子 「現代文学の広場」
・・・と云われたことは、社会主義リアリズムへ展開して、もとよりその核心に立つ労働者階級の文学の主導性を意味しているのであるが、前衛の眼の多角性と高度な視力は、英雄的ならざる現実、その矛盾、葛藤の底へまで浸透して、そこに歴史がすすみ人間性がより花開・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
・・・人民民主主義革命への道における労働者階級の主導的な役割が、否定されているような理解はもちろんなかった。けれども、文学運動の面では、新日本文学会の創立大会でも、その後につづく第四回までの大会でも、民主主義文学運動の背骨としての労働者階級の文学・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・抹殺の上に立てられているものではなく、ソヴェト同盟の指導者たちが、一九二一年の新経済政策以来プロレタリア文学運動を国際的規模において発展せしめて来た一貫した指導方針=文学の面におけるプロレタリアートの主導性の確立の一つの現実的形態として表れ・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・提案の主旨は日本の人民的な民主主義革命を達成する主導力は、労働者階級であるという点から出発した。一九四八年二月の新日本文学をみると徳永直は「勤労者文学をもっと前におし出すこと」という表題で、みじかい文章をかいている。そのなかで彼が第三回大会・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・現世紀の社会歴史の発展は、あらゆる段階とそれに応じた様々の様相を通じて、労働者階級がその主導的な力であることは、世界の事実となっている。そのような階級の力として日本に労働者階級があり、その階級の人間的表現としての文学運動があらわれたとき、そ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学の存在」
・・・ゴーリキイは過去において、まだ労働階級の自覚が乏しかった時代、ロシアの革命の主導的な力はインテリゲンツィアであったという、社会史の一定の時期にあった現象に執着してこの見解をもったのである。 ゴーリキイの「ヴェ・イ・レーニン」はまことにゴ・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
出典:青空文庫