・・・そういう経験をもっていて労働者農民の国ソヴェト同盟の暮しを見たのだから、プロレタリアートの国ソヴェト同盟では、国庫全額負担の失業手当があり、養老保険があり、小学校から大学まで労働者にとっては無料であると語る時、なみなみでない情熱が感じられ、・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・丸の内の宏壮な建物を見てもわかるように、保険会社は富んでいるものだが、現在、生命保険会社の支払い方法は、他殺だと保険金詐欺でない限り普通の病死と同じに全額を支払うことになっているのだそうだ。自殺の場合、契約後一年――三年は全く支払わず、三年・・・ 宮本百合子 「権力の悲劇」
・・・クラブ 七六四六農民の家 六八二〇――国庫全額負担の小学校―― さて、一九一七年の十月のプロレタリア革命の後、ソヴェト同盟で、子供はどう教育されて行くかということが、世界各国からの、鋭い興味・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・ ソヴェト労働法は姙娠した労働婦人に出産前二ヵ月、出産後二ヵ月の給料全額つき休暇を与えるのだ。 雑誌をかりに来てしゃべっていたエレーナが、年若い糖尿病患者の消耗性で輝やいた眼でターニャを見ながら、 ――お産の仕度にいくら貰えるの・・・ 宮本百合子 「子供・子供・子供のモスクワ」
・・・その頃の金で全額五十円ぐらいであったろうか。予約募集は決して不成功ではなかったにかかわらず、刊行事務はちっとも進行しなかった。一九三三年と云えば、プロレタリア文化運動に集注破壊の向けられた年で、小林多喜二の虐殺は、ファシズム権力の兇猛さで、・・・ 宮本百合子 「小林多喜二の今日における意義」
・・・喰べるものは会社で賄って、働いた給料は、すべての紡績工場で、ほとんど全額を娘さんにわたすところはない。その何パーセントしか渡さない。会社で積立てている。四国の郡是という工場では、去年の秋ごろ、二百三十円前後の収入というのが一番多かった。何百・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・ソヴェト同盟では全額国庫負担の小学教育を実行しようとしています。学用品から弁当、寒いところだから必要な防寒具まで小供のためには国家が出そうとしている。母親として、誰がこのことに冷淡でいられましょう! 住居のことがある。ソヴェト同盟ではど・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
・・・国庫全額負担による小学校教育等が実現されたのである。十八歳になれば男も女も選挙権を持つようになった。 レーニンが革命後間もなくモスクワの婦人労働者会議の席上で「古い、不正な、婦人労働者にとって堪え難い法律を、ソヴェト政府は、その最も下の・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
出典:青空文庫