・・・「ここ一年以来の民自党政府のやり方には、もはや反共のラインをこえて、人間としての権利そのものへの侵犯としかみえないものがあらわれている。」「最近は、私自身の関するせまい職域の限りでも、いわゆるレッド・マークとか、学問の自由というような新しい・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・われわれに対する枠は、いわゆる吉田民自党内閣のわれわれに対する政策は、反共国民運動によって労働組合を弾圧し、共産党に対する弾圧をする。これは新聞でもはっきりしている。そういう反共国民運動の枠、その枠であるということを私は感じてきたわけであり・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・記事は世間に不安なセンセーションをおこし反共の役を演じたままヤミに葬られた。その前後に十五歳になる少年数名が列車妨害で捕えられ、またこれもウヤムヤにひっこめられた。十五歳ぐらいの不良少年がチャリンコ適齢期であり、親分子分、兄貴とのつきあいを・・・ 宮本百合子 「犯人」
・・・ 今日戦争によって破壊された人民生活の安定の役割を引き受けた政府が、非常に努力して愛嬌よくしながら、なにより大切な戦争反対をした共産党に反共という共同の線を引こうとしていることは信じられないことです。もしそういうことをするならば、言わず・・・ 宮本百合子 「本当の愛嬌ということ」
・・・その自由党の鳩山一郎氏は、日本を救う人民戦線は拒絶して、反共戦線というものを宣言した。四月六日の『読売報知』には、ヒトラー、ムッソリニ礼讚の自著『世界の顔』についての、外人記者との対談で、「武士道は日本精神の精髄で、ナチス精神との間には多分・・・ 宮本百合子 「矛盾とその害毒」
出典:青空文庫