塵に継ぐ
先人のあとを継ぐ。「—・げとやちりの身につもれることを問はるらむ」〈古今・雑体〉
塵に同ず
《「老子」四章から》俗世間の人と交わる。塵に交わる。→和光同塵「権者の光を和げ、—・ずるもあるらん」〈貞享版沙石集・九〉
塵に交わる
世俗に交わる。「この家の福の神は—・り給ひしに」〈浮・永代蔵・五〉
塵も積もれば山となる
《「大智度論」九四から》ごくわずかのものでも、数多く積もり重なれば高大なものとなることのたとえ。
塵も灰も付かぬ
取り付くしまもない。そっけない。「ともかくもそなたの分別次第と—やうに言へば」〈浮・万金丹・五〉
塵を出ず
俗世間を離れる。出家する。「秋風の露の宿りに君をおきて—・でぬる事ぞかなしき」〈新古今・哀傷〉
塵を切る
力士が土俵上で取組に先立って、徳俵の内側で、蹲踞 (そんきょ) し、手をすり合わせ、両手を広げ手のひらを返し、体の塵を取る動作。→塵手水 (ちりちょうず)
塵を絶つ
⇒絶塵 (ぜつじん)
塵を望んで拝す
《晋の石崇が、主君の外出のたびに、その車が塵を上げて走り去るのをはるかに望んで拝んだという、「晋書」石崇伝に見える故事から》貴人の車馬が走り去るのを見送って礼拝する。長上にへつらうことのたとえ。
塵を捻る
恥ずかしがってもじもじする。「お出入りの金売り橘次に、—・って頼みのしるし」〈風流志道軒伝〉