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・・・この天皇制の尾骨のゆえに、一九四〇年ごろのファシズムに抗する人民戦線は、日本で理性を支えるいかなる支柱ともなり得なかった。『人間』十一月号に、獅子文六、辰野隆、福田恆存の「笑いと喜劇と現代風俗と」という座談会がある。日本の人民が笑いを知・・・
宮本百合子
「「下じき」の問題」
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・・・ありという風な東洋的封建時代の精神的ポーズに戻る今日のインテリゲンチア作家の重い尾骨は、年齢を超えて正宗にも横光にも全く同じ傾向をもって現れている。このことは驚くべき意味深い事実である。横光の場合主観的な知的逞しさは感覚されているのだが、本・・・
宮本百合子
「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」