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・・・たとえば幕が落ちる途中でちょっと一時何かに引っかかったが、すぐに自然にはずれて首尾よく落ちる、その時の幕の形や運動の模様だとか、また式辞を朗読する老紳士の白髪の一束が風に逆立つ光景とか、そういう零細な事象までがことごとくこくめいに記録される・・・
寺田寅彦
「ニュース映画と新聞記事」
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・・・それですから、何かの儀式でネネムが式辞を読んだりするときは、その位を読むのがつらいので、それをあらかじめ三十に分けて置いて、三十人の部下に一ぺんにがやがやと読み上げて貰うようにしていましたが、それでさえやはり四分はかかりました。勲章だってそ・・・
宮沢賢治
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」