・・・て、サークルの独自性を強調しつつ、「サークルのできた地域や職場の日常生活との現実的なつながりで、おのずから組合の闘争や政治闘争との連関を生じるだろうし、それを文化・文学サークルだからというたてまえから拒否することは間違いであるが」、文学サー・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・民主主義運動の伝統の貧しい、それほど封建的な要素の多い日本のインテリゲンツィアは、人間として全く当然な自然発生の欲求から、生命の安定をさえ剥奪して来た既往の権力を否定したのであるが、その否定、拒否は明瞭に自覚されている民主化への欲求の上に立・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・p.259○彼等が慾求するのは 慾望の充足を希うがためのみならず、それと同時にまた慾望を拒否された堕地獄の状態をも希うがためである。○対立は対立を生むのである。p.259○狂暴な循環の中に彼らの意欲の旋風は渦巻いている。p.26・・・ 宮本百合子 「ツワイク「三人の巨匠」」
・・・の中央機関への参加を拒否する同盟中心主義、あるいはさまざまな名目による運動からの脱落、敵との妥協。大衆追随主義としてあらわれた自然成長性への屈伏など。右翼的偏向は、複雑な組合わせと多様と度合とをもって現れたのであった。「戦争と革命との新・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・バンチ博士は博大な彼のヒューマニズムと偏見の拒否にかかわらず、現代の世界に、科学の成果に人間関係方面の成果を加えようとするものとして、社会主義社会ソヴェト同盟が存在している事実を見おとしている。ソヴェト同盟はプロレタリア階級の革命という道を・・・ 宮本百合子 「「人間関係方面の成果」」
・・・ールでは、そのことに関する公然たる意志表示や行為を政治的であるとしてさけがちな日本の文学者も、この作品の翻訳に関して侵略して来た告発、思想と言論に対する権力の圧迫には、面をそむけずにたたかって、捏造を拒否しつつある。 伊藤整が、七月一日・・・ 宮本百合子 「人間性・政治・文学(1)」
多喜二的みがまえということがいわれるとき、あの激しい弾圧の中で多喜二がひどくいびられ最後には殺されてしまったあのいさましい犠牲的な身がまえを要求されるように感じて、それを拒否しようとする動きがあるけれども、それには治安維持・・・ 宮本百合子 「批評は解放の組織者である」
・・・いかにわれわれが、拒否しようとも、資本主義の存在していることは事実である。此の資本主義の存在している限り、それは仮令、排撃せらるべき文学であるとしても、新しき資本主義文学の発生するのも、また当然でなければならぬ。 しかし、もしそうして資・・・ 横光利一 「新感覚派とコンミニズム文学」
・・・いやそれより若しも生活の感覚化がより真実なる新時代への一致として赦され強要せられなければならないものとしたならば、少くとも文学活動にその使命を感ずる者はより寧ろ生活の感覚化を拒否し否定しなければならないではないか。何ぜなら、もしも然るがよう・・・ 横光利一 「新感覚論」
・・・が、何かにつけて自分の弱味――安次を組の手に押し附けたと云う此の弱味、それは自分の知らないことだと彼一人拒否したとて免れないその点に、――絶えず触れて出ようとする秋三の態度には我慢がしきれなかった。彼は棚からビール箱を下ろすと、一枚一枚釘打・・・ 横光利一 「南北」
出典:青空文庫