ざんざん-じょうすい【残山剰水】
戦乱などの後に残された
荒廃した
山河のこと。
亡国の
風景。また、
全景を描ききらず、部分的に描くことで、かえって自然の
雄大な
景観を
表現する山水画の
描法。この
場合は、
山河を描ききらずに残す意。▽「残」「剰」はともに、損なわれ残っている意。「水」は川の意。「剰水残山
じょうすいざんざん」ともいう。
- 出典
- 杜甫とほ「鄭広文ていこうぶんに陪ばいして何将軍かしょうぐんの山林さんりんに遊あそぶ」(詩)
- 用例
- 庭園の枯山水や石庭は、水墨画のいわゆる「残山剰水」、花鳥画の「折枝」という構図方式の自然を相手にしての適用であろう。<唐木順三・日本人の心の歴史>