りんさんアンモニウム【燐酸アンモニウム】
燐酸のアンモニウム塩。正塩は化学式(NH4)3PO4で、水に溶ける無色の結晶。ふつう三水和物。工業上は水素塩も含めていい、燐酸一水素アンモニウム(NH4)2HPO4は広く肥料として用いられ、燐安ともいう。燐酸二水素アンモニウム(NH4)H2PO4の単結晶は圧電率・誘電率が高く、圧電振動子として用いられる。
りんさんえん【燐酸塩】
燐酸の水素を金属あるいは塩基と置換してできる塩。正塩のほか、燐酸水素塩・燐酸二水素塩がある。一般に無色の結晶。 [補説]肥料のほか、食品添加物や合成洗剤などに利用される。
りんさんカリウム【燐酸カリウム】
燐酸のカリウム塩。無色の結晶。水に溶け、水溶液は強アルカリ性。合成洗剤の製造に用いる。化学式K3PO4 工業上は水素酸を含めていい、燐酸二水素カリウムKH2PO4の単結晶は強誘電体で、圧電素子・電気工学素子やレーザーの光高調波発生に用いられる。
りんさんカルシウム【燐酸カルシウム】
燐酸のカルシウム塩。白色の無定形の物質。天然には燐灰石として産出し、土壌中に分布して植物の肥料となり、動物では骨・歯の主成分をなす。化学式Ca3(PO4)2 広くは水素塩も含み、過燐酸石灰の成分で、肥料として重要。燐酸石灰。
りんさんコデイン【燐酸コデイン】
コデインの燐酸塩。鎮痛・鎮咳 (ちんがい) 薬に用いる。
りんさんひりょう【燐酸肥料】
燐酸塩の形で燐を多く含む肥料。過燐酸石灰・燐酸アンモニウム・骨粉・しめかすなど。燐肥。
りんさんエステル【燐酸エステル】
リン酸とアルコールが結合したエステルの総称。生体内では、細胞膜の主成分であるリン脂質や、生命活動に必要なエネルギーを貯蔵・供給するATP、遺伝情報を司るDNAやRNAなどに含まれ重要な役割を担っている。
りんさんき【燐酸基】
-H2PO4で表される一価の基。水酸基を取り除いたリン酸からなる官能基であり、生体内でエネルギーの貯蔵や細胞内の情報伝達などに重要な役割を果たしている。→プロテインキナーゼ
りんさんげん【燐酸源】
⇒ホスファゲン
りんさんソーダ【燐酸ソーダ】
⇒燐酸ナトリウム