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・・・胡蘿蔔を繊に松葉をさしても、形は似ます。指で挟んだ唐辛子でも構わない。――」 と、たそがれの立籠めて一際漆のような板敷を、お米の白い足袋の伝う時、唆かして口説いた。北辰妙見菩薩を拝んで、客殿へ退く間であったが。 水をたっぷりと注して・・・
泉鏡花
「縷紅新草」
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・・・しかのみならず、大根の文字は俗なるゆえ、これに代るに蘿蔔の字を用いんという者あり。なるほど、細根大根を漢音に読み細根大根といわば、口調も悪しく字面もおかしくして、漢学先生の御意にはかなうまじといえども、八百屋の書付に蘿蔔一束価十有幾銭と書き・・・
福沢諭吉
「小学教育の事」