・・・ だけれども、スターリングラードの夕暮、彼に忘れがたい感銘を与えた一人の少年の姿――夕方になると共同墓地に葬られた父を必ず訪れる少年の運命にとって、第二次大戦に連合軍が第二戦線をおくらして、ソヴェトに最も負担の多い出血を余儀なくさせたこ・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
・・・二・二六事件の秘史というものが、当時の内部関係者であったファシスト軍人によって主観的に合理化してかかれたものが公表されるし、日本海軍潰滅前後の物語も、当時の連合艦隊参謀長というような人々によって執筆されはじめた。 これらの記録には、どれ・・・ 宮本百合子 「ことの真実」
・・・産別、総同盟をふくむ労働組合と民主的文化団体の総連合による「日本文化を守る会」が結成された。日本文化を守る会は、その会の本質として出版、ラジオ、教育などに関するすべての問題に関心を示している。必要に応じて日本の文化を守る会の調査団が派遣され・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・当時連合軍総司令部から発表された指令の一つ一つをかえりみてもそれは明瞭であるし、日本政府も、このことを好まないにかかわらず、日本の民主化は世界によって課せられた義務であると理解した。いろいろとんちんかんなことはあったにしろ、大局において日本・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・ 中国の謝冰瑩という、連合国の代表で来ておった人が、上海へ帰りまして、「日本の人は立派です。忍耐強くて立派ですが、日本の人はお魚をあまり食べすぎるらしい、魚は口をききません、口をきかない魚をあまり食べ過ぎるから、日本の人はあまり口をきか・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・板橋の場合、発見した隠匿物資は、配給所がごまかしていたものではなかったのだから、委員会は、先ず連合軍に申し出たらよかったろう。連合軍は或は政府に通告し、政府は営団に一旦渡せというかもしれぬ。そこが区民としては虫が好かない点だったろう。虫のす・・・ 宮本百合子 「人民戦線への一歩」
・・・御承知の通り、イギリスやチェックは白軍と連合してどんどん侵入して来るし……。 第一「十月」革命当時、ブルジョア・インテリゲンチアの社会民主主義者連はボルシェヴィキーに対して何といったと思います? こういってたんです。「パリ・コンミュー・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・世界労働組合連合の遠大な目的と献身的な努力はここに向けられている。 一九四五年に組織された国際婦人民主連盟に世界の四十四ヵ国の婦人八千百万人が結集しているのは何のためだろう。ここにこそ、死をとおし涙をとおしての女性の決意がある。二度の戦・・・ 宮本百合子 「正義の花の環」
・・・ ヨーロッパの婦人たちが、民主平和のヨーロッパ再建のための連合国憲章にもとづいて、婦人たちの大統一戦線をこしらえはじめたこころもちは、同感される。第一次欧州大戦のあと、ヨーロッパ諸国の心ある人々が男も女も、平和の永続のために、どんなに苦・・・ 宮本百合子 「世界の寡婦」
・・・に取扱われているそれとは全く反対の生ぬるい、澱んだ、東洋風の諦観に貫かれているのでもなければ、フィリップの作のように、生活への愛に満されているのでもない、ずるずるべったりの売笑婦とその連合いとの生活を描く作者の心境に対してはっきりした軽蔑を・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
出典:青空文庫