りょうしあんごう【量子暗号】
《quantum cryptography》量子力学の原理を応用した暗号技術。通信経路上で盗聴されると量子状態が乱れ、通信内容が読み出せなくなる。また盗聴行為そのものも感知できる仕組みになっている。原理的に盗聴や第三者による解読が不可能な暗号であると考えられている。
りょうしいろりきがく【量子色力学】
素粒子物理学における、強い相互作用を説明する基本理論。陽子や中性子などのハドロンは、クオークと反クオーク、およびクオーク同士を結びつけるグルオンにより構成される。クオークは直接観測にかからない色荷(カラーチャージ)とよばれる自由度をもち、グルオンが媒介する力である強い相互作用は、これらの色の間にはたらく。量子色力学は色の自由度についての対称性から導かれるゲージ理論として構築された。南部陽一郎は同理論に関する先駆的研究を行った一人として知られる。QCD(quantum chromodynamics)。
りょうしエレクトロニクス【量子エレクトロニクス】
量子力学を基礎に、原子や分子と電磁波との相互作用の応用を研究する電子工学の一分野。電磁波を発振・増幅するメーザーやレーザー技術が中心。
りょうしえんざんそし【量子演算素子】
量子コンピューターで量子力学的に論理演算を行う基本素子。情報の最小単位として、従来のビットに代わり、0と1だけでなく、0と1とを重ね合わせた状態も表す量子ビットを制御する。量子ゲート。
りょうしか【量子化】
《quantization》 1 素粒子の運動を扱うときに、古典力学的な物理量である位置座標・運動量およびこれらからなる関数を、量子力学的な演算子に置き換えること。これらの演算子をもとに作られた方程式から、素粒子がもつエネルギー・角運動量などの物理量がとびとびの値をとることが示される。 2 連続的な量を離散的なとびとびの数値で表すこと。また、アナログ信号をデジタル信号に変換して近似値として表すこと。信号の振幅の大きさを量子化ビット数といい、この値が大きいほどアナログ信号との誤差は小さくなる。
りょうしかがく【量子化学】
量子力学の理論を用いて化学現象を解明しようとする理論化学の一分野。化学結合・分子構造・化学反応などの理論が解明されている。
りょうしかきのうそし【量子化機能素子】
⇒量子素子
りょうしかせつ【量子仮説】
1900年にプランクが放射公式を導く際に仮定した考え。放射のエネルギーは最小単位量(エネルギー量子)の整数倍に限られるというもの。従来の連続的な値をとるとする古典論に対して新しい考えを与え、量子論の発端となった。プランクの量子仮説。
りょうしかビットすう【量子化ビット数】
《quantization bit rate》アナログ信号をデジタル信号に変換する際、信号の振幅の大きさを何段階で表すかを示した値。8ビットで256段階、16ビットで65536段階の表現が可能となる。数値が大きいほど、元のアナログ信号を忠実に再現する。サンプリングビット数。
りょうしゲート【量子ゲート】
《quantum gate》⇒量子演算素子