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・・・ と、言われると、「オーケー」 自分の言葉に軽く押し出されるように、亀吉はひょいとハナヤを飛び出した。 次郎と三郎は、びっくりしたような眼を見合せていた……。 大阪の憂鬱 丁度その頃――。 というの・・・
織田作之助
「夜光虫」
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・・・それをすぐオーケーとばかりに承諾しては田代公吉が阿呆になるからそれは断然拒絶して夕刊娘美代子の前に男を上げさせる。この夕刊売りの娘を後に最後の瞬間において靴磨きのために最有利な証人として出現させるために序幕からその糸口をこしらえておかなけれ・・・
寺田寅彦
「初冬の日記から」