男性の尿道は長さが16~25㎝ほどあり、尿道外括約筋より膀胱側を「後部尿道」、前方を「前部尿道」といいます。
後部尿道は、周囲を「前立腺」に囲まれています。前立腺の先には、「尿道球腺(カウパー腺)」があり、多数の側管から粘液を分泌しています。
後面には「精丘」という部分が突出しており、そこに2本の「射精管」がつながっています。精丘の両側には、前立腺排泄管が多く開口しています。
男性の尿道は、膀胱にたまった尿を排出するための通路であると同時に、射精時の精液の通り道でもあります。
睾丸でつくられた精子は、精管を通って前立腺の内側から尿道に入り、前立腺から分泌された前立腺液とともに射精されます。このように、1つの器官が異なる2つの機能を担っているというのが、男性の尿道の大きな特徴です。
さらに、前立腺は加齢とともに肥大し、「前立腺肥大症」になる場合もあります。
女性の尿道は、長さが約3~4㎝と、男性にくらべ短いのが特徴です。尿道は、「膀胱頸部」から「膣前壁」の前面に沿うように走り、「膣前庭」につながります。
女性の場合、膀胱出口から尿道の途中にかけて内括約筋と外括約筋があり、ここで排尿をコントロールしています。
女性の尿道は、膀胱にたまった尿を体外に排泄するためだけの通路です。
女性の尿道は男性にくらべて短いので、構造上どうしても尿道口から細菌が侵入しやすくなっています。
そのため、膀胱に細菌が感染しておこる膀胱炎などがおこりやすいといえます。
健康な膀胱であれば、からだの防除機構が働いて、感染を防いでくれますが、抵抗力が弱っていると、「膀胱炎」をおこしやすくなります。