出典:青空文庫
・・・第三党として出馬したウォーレスの進歩党が、率直明白なその綱領によって、民主アメリカの幸福と世界の人民の民主化のためにタフト・ハートレー法や非アメリカ委員会の活動は廃止さるべきものであり、鉄のカーテンはとけうるものであり、またとかせるべきもの・・・ 宮本百合子 「新しい潮」
・・・ ウォーレスの新党が進歩党と名づけられ、むだなかけひきは一切ぬきに世界平和と民主主義推進の綱領を正面にかかげて立候補したとき、あいまいに立ちこめた雲がさけて、ひとすじのつよい明るい光が射出した感じを受けたのは、わたしたちだけではなかった・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・同じく大統領候補者のウォーレスは、「戦争ちょう発はアメリカ人民自身の幸福を破壊するものである」と。こうしてみると戦争ちょう発の舞台で二人の主人公のように扱われているアメリカもソヴェトもまたつづけて血なまぐさい騒動をくり返してみたとこ・・・ 宮本百合子 「世界は平和を欲す」
・・・資本家であり、社会主義者でさえないウォーレスが、第三党をつくって、世界平和のための可能を増大することに精力を傾け、それを支持する勢力が労働組合内に拡大しているのは何故だろう。これらの事実はアメリカの内部につよい平和への欲求があることを示して・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」