出典:青空文庫
・・・馬鹿と面罵するより他に仕様のなかった男、エリオットの、文学論集をわざと骨折って読み、伊東静雄の詩集、「わがひとに与ふる哀歌。」を保田与重郎が送ってくれ、わがひととは、私のことだときめて再読、そのほか、ダヴィンチ、ミケランジェロの評伝、おのお・・・ 太宰治 「碧眼托鉢」
・・・エリック・エリオット、映画技術と芸術(岸松雄。佐々木能理男訳編、発声映画監督と脚本論。ヴェ・シュクロフスキイ、シナリオはいかに書くべきか(本間七郎。 セルディス、トオキイと映画芸術(高原富士郎。佐々木能理男・飯島正、前衛・・・ 寺田寅彦 「映画芸術」
・・・このほかにエリオットのおった家とロセッチの住んだ邸がすぐ傍の川端に向いた通りにある。しかしこれらは皆すでに代がかわって現に人が這入っているから見物は出来ぬ。ただカーライルの旧廬のみは六ペンスを払えば何人でもまた何時でも随意に観覧が出来る。・・・ 夏目漱石 「カーライル博物館」
・・・十九世紀のイギリス文学では、その名を忘れることの出来ないジョージ・エリオット。ジェーン・オースティン。ブロンテ姉妹。ギャスケル夫人。フランスでは、スタエル夫人をはじめ、日本の読者にもなじみの深いジョルジ・サンドなど。そして注目すべきことは、・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・イギリスは冬の長い陰気な室内生活により一般に読書好きなのと、キリスト教的な婦人の啓蒙教育のおかげで、小説の世界で中流的だが、古典でジョージ・エリオットにしろ、ジェーン・オーステンにしろ、ブロンテ姉妹、ブラウニング夫人、ギャスケル夫人等なかな・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」