出典:青空文庫
・・・徳永氏が傑れたものとしてあげている『中央公論』六月号のスペイン戦線からの作家たちのルポルタージュ、又はオストロフスキーの小説「鋼鉄はいかに鍛えられたか」などこそは、決して「物が人を動かす」理論からだけで出来得るものではないのである。 ル・・・ 宮本百合子 「明日の言葉」
・・・ モスクワの街々にプーシュキンやオストロフスキー、グリボエードフなど文学者の記念像が立っていることは、ひろく知られている。日本の、どの街に、どんな音楽家の像が立てられているだろうか。どんな学者の姿が見られるだろうか。今日まで日本を支配し・・・ 宮本百合子 「行為の価値」
・・・シルレル、オストロフスキー、ゴーゴリ、トルストイ、チェホフ、ゴーリキーなどの古典的な、或は半古典的な戯曲。 労働者・農民の革命的建設を主題とするグラトコフの「セメント」、キルションの「レールは鳴る」、グレーボフの「権力」、イワーノフの「・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・の著者、オストロフスキーをもわざわざ南露に訪ね、自分の生命の最後の一滴をも人類の発展のために注ぎつくそうとしているこの若く熱烈な不具の新人間の高貴な額に、尊敬と愛着との涙をもって接吻した。 特にフランスへ帰ろうとしていたセバストーポリの・・・ 宮本百合子 「ジイドとそのソヴェト旅行記」
・・・ 国内戦時代のたたかいの結果、失明し全身不随となった若いオストロフスキーが、同志と家族にたすけられつつ、その生涯の終りに「鋼鉄はいかに鍛えられたか」という長篇小説をのこした。このことは、ただ彼が成功した一人の素人作家であって、十九世紀ロ・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・の舞台に漂ったメイエルホリドの、底なしのデカダンスの肉感と、オストロフスキーの「森」の舞台の牧歌的朗らかな恋愛表現、哄笑的ナンセンスとの対照。又「D《デー》・E《エー》」の黒漆でぬたくったような暗い激しい圧力と「吼えろ! 支那」の切り石のよ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・ しかしながら、ヨーロッパに於ける新しい社会運動の動力であったロシアを何かの形で世界に紹介したという点から見ても、ツルゲーネフは、当時オストロフスキー、トルストイ、ドストイェフスキー、ゴンチャロフ、ニェクラーソフなどと共にロシア文学史上・・・ 宮本百合子 「ツルゲーネフの生きかた」
・・・ 去年の十二月二十二日にモスクワでニコライ・アレクセーヴィッチ・オストロフスキーがその三十二歳の生涯を終った。彼の作品「鋼鉄はいかに鍛えられたか」は邦訳された。遺憾なことにこの小説の翻訳はその内容の性質によって発売を禁ぜられた。出版当時・・・ 宮本百合子 「ヒューマニズムへの道」