出典:青空文庫
・・・ 気がついて見ると、僕は、書斎のロッキング・チェアに腰をかけて St. John Ervine の The Critics と云う脚本を読みながら、昼寝をしていたのである。船だと思ったのは、大方椅子の揺れるせいであろう。 角顋は、久・・・ 芥川竜之介 「MENSURA ZOILI」
・・・「橋の上に置いてあったのを、三びきジョンが食い殺したのだ。」「悪いジョンだね、いじめてやろうか。」と、誠さんや、正ちゃんがいいました。「茂さんが怒って、ジョンを河の中へ突き落としたんだよ、ジョンのやつ、クンクンないて逃げていって・・・ 小川未明 「僕たちは愛するけれど」
・・・「帰省」という本が出て、また別な文学の世界の存在を当時の青年に啓示した。一方では民友社で出していた「クロムウェル」「ジョン・ブライト」「リチャード・コブデン」といったような堅い伝記物も中学生の机上に見いだされるものであった。同時にまた「国民・・・ 寺田寅彦 「科学と文学」
・・・最近に出版された John R. Freeman : Earthquake Damege and Earthquake Insurance を見ると、末広君が米国に招かれるに到った由来が明らかになっている。この本の第二十二章に地震研究方針に・・・ 寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
・・・これに出て来るライオネル・バリモアーの役が湿疹に悩まされていることになっていてむやみにからだじゅうをかきむしる。ジョン・バリモアー役の主人公が「おれもそんなに忠実なコンパニオンがほしい」とはなはだ深刻な皮肉を言う場面がある。 このごろ、・・・ 寺田寅彦 「破片」
・・・ 九 東郷大将の若い時の写真を見ると、実に立派でしかも明るく朗らかな表情をしたのがある。ジョン・バリモアーなどにもちょっと似ているのがある。しかし晩年のいわゆる「東郷さん」になってからの写真にはどれにもこれにもみ・・・ 寺田寅彦 「藤棚の陰から」
・・・勲功によって貴族に列せられようという内意があったが辞退したので、爵位はその夫人に授けられ、夫人からその一人息子の John James Struttに伝えられた。これが最初の Lord Rayleigh となった訳である。Rayleigh ・・・ 寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
・・・その時の当主ジョン・ストラットは Maldon からの M. P. として選出された。この人の長子は早世し、次男の Joseph Halden Struttが家を継いだ。彼は陸軍大佐となり王党の国会議員となり、Duke of Leinste・・・ 寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
・・・健全なるジョン・ラスキンが理想の流れを汲んだ近世装飾美術の改革者ウィリアム・モオリスという英吉利人の事を言おう。モオリスは現代の装飾及工芸美術の堕落に対して常に、趣味 Got と贅沢 Luxe とを混同し、また美 Beaut と富貴 Ric・・・ 永井荷風 「妾宅」
・・・けれどもそれはやむを得ない。ジョン・モーレーのいった通り何人にもあれ誠実を妨ぐるものは、人類進歩の活力を妨ぐると一般であって、その真正なる日本の進歩は余の心を深くかつ真面目に動かす題目に外ならぬからである。」 余は先生の人となりと先生の・・・ 夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」