出典:青空文庫
・・・パアレーの『万国史』。フランクリンの『自叙伝』。ゴールドスミスの『ウェークフィルドの牧師』。それからサー・ロジャス・デカバリイ。巴里屋根裏の学者の英訳本などである。中村敬宇先生が漢文に訳せられた『西国立志編』の原書もたしか読んだように思って・・・ 永井荷風 「十六、七のころ」
・・・の監督に当ったシドニー・フランクリンは、ムニやライナーを東洋人として演じさせるためにこまかい注意を払っているのであるが、私たち東洋の眼で見ていると、折々パッと異国の花が開いたようにライナーがほかならぬアメリカの最も尖端的な表情で立ち現れる瞬・・・ 宮本百合子 「映画の語る現実」
・・・様な働きの電気というものを、人間生活にとりいれ、こわいものから便利なものにかえて来た道が、終始一貫して全く実験の立場からもたらされ導かれたものであることを、コフマンは巧まない健全さで明らかにしている。フランクリンの凧の逸話は人口に膾炙してい・・・ 宮本百合子 「科学の常識のため」