出典:青空文庫
・・・かなりテヒニークの六ヶしいブラームスのものでも鮮やかに弾きこなすそうである。技術ばかりでなくて相当な理解をもった芸術的の演奏が出来るらしい。 それから、子供の時に唱歌をやったと同じように、時々ピアノの鍵盤の前に坐って即興的のファンタジー・・・ 寺田寅彦 「アインシュタイン」
・・・第九番、ブラームス「ウンガリシェ・タンツ」というふうに楽曲の名前が並べてあるだけで、いったいどんなものを見せられるか全く見当がつかない。 さて、映写が始まって音楽が始まると同時に、暗いスクリーンの上にいろいろの形をした光の斑点や線条が順・・・ 寺田寅彦 「踊る線条」
・・・次から次と不即不離な関係で無理なく自由に流動進行することによってそこにベートーヴェンやブラームスが現われて活躍するのである。またあまりに美しい完全な和弦が連行すると単調になり退屈になるので適当な不協和音を適当に插入することによって、曲の変化・・・ 寺田寅彦 「連句雑俎」