出典:青空文庫
・・・何かの用で内へ来た時に、ムンクの画が好きだと云いながら、持っている本を出して見せた事がある。多分好きだろうと思って、ギイの素描を見せたら、これは嫌いだと云ったのもその時ではないかと思う。それからどこかの芝居の二階で遇った事がある。その時は糸・・・ 芥川竜之介 「豊島与志雄氏の事」
・・・ゴッホに、到底セザンヌの軽快洒脱を望むことはできないが、その表現主義的であり、哲学的である点に於て、ゴッホとムンクと相通ずるところがあるのは、同じ、北方の産であったゝめであろう。 私達は、さらに、漂浪の詩人に、郷土のなつかしまれたのを知・・・ 小川未明 「彼等流浪す」
・・・などの扱い方もシムボリックなところがあってどこかムンクを思わせる。そして、このケーテの内部に交流しているシムボリックな傾向が婦人画家としての彼女に、フライリヒラアツの詩やハウプトマンなどの文学作品から、モティーフを刺戟された題材の版画集を創・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」