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・・・しかし初学者が倫理学研究の入門として、上述の倫理的問いをもって発足するには、やはりテオドル・リップスの『倫理学の根本問題』などが最もいいであろう。もっともこれはコーヘンとともに新カント派のいわゆる形式主義の倫理学であって、流行の「実質的価値・・・
倉田百三
「学生と教養」
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・・・ たとえば私にとっては、テオドル・リップスの『倫理学の根本問題』はかような指導書の一つであった。かような指導書を見出したときには、これをくりかえし、幾度となく熟読し、玩味し、その解答を検討すべきである。手垢に汚れ、ページがほどけるほど首・・・
倉田百三
「学生と読書」