出典:青空文庫
・・・これらの報告は、こんにちのソヴェト作家としてシーモノフの名と作品を知っている日本の人々に、シーモノフが工場の文学サークルから文学的誕生をしてのびて来るそれ以前の時期において、ソヴェト社会は、その勤労人民の日常生活にどんな文化、文学の開花の可・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
・・・ シーモノフの「ロシアの問題」について、彼は少からぬ質問者に出会った。そして彼らを説破した方法を、スタインベックは無邪気に語っている。彼は「ロシアの問題」の題材とテーマとを、すっかり逆におきかえて、もしソヴェトにおいてアメリカに対するこ・・・ 宮本百合子 「心に疼く欲求がある」
最近のソヴェト文学をよみたくて読めなかった日本の読者に、ゴルバートフの「降伏なき民」はうれしいおくりものであった。今年の初め、シーモノフ、アガーポフ、クドレワートウィフ等と一緒にゴルバートフも暫く東京に来ていた。ゆたかな声・・・ 宮本百合子 「ゴルバートフ「降伏なき民」」
・・・ 今年のはじめソヴェト同盟からシーモノフ、ゴルバートフその他四人ほどの作家が来た。そのとき、いろいろの作家がこれらのお客をとりかこんで文学を中心とする座談会をもった。そして、特別な関心をもって、現在ソヴェト同盟に行われている芸術の創作方・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・の中で、ソヴェト同盟の権力の下では同人雑誌を出すことを許されないということを知った、「同人雑誌こそ新しい文学の唯一の温床であるのに、それを欠く革命後のソ連文学がシーモノフにせよ」「『虹』にせよ、全く大衆小説で第二のゴルキーが出ないのも、かか・・・ 宮本百合子 「しかし昔にはかえらない」
・・・ソヴェトの各工場にはみな文化サークルがあって、シーモノフなども工場のサークルから送られた作家です。舞踊でも、オペラでも、文学でも、あらゆることが、文化サークルの中にあって、そこで、この人たちの好きな、やりたいことをやっているうちに才能が成長・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・先ごろ来朝していた作家シーモノフが、日本の出版界にもそれを衷心から希望したとおり、ソヴェト同盟の出版事業は直接に人民文化の仕事として企画され運営されている。どうしてそんないい条件の『星』や『レーニングラード』が、くだらないゾシチェンコに叩頭・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・これは、この間、ソヴェト同盟から作家シーモノフなどが来たときの座談会で、感じたことですが、みんななにか心にかかるように、ソヴェトの社会主義的リアリズムについて聞くんです。するとシーモノフはソヴェトでは一九二九年以来その創作方法でやってきてい・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・この間ソヴェトの作家シーモノフ氏に会いましたとき、日本の文学について何を知っていらっしゃいますかと訊ねたら、「源氏物語」を知っているということです。それは、大変珍らしいものを知っていらっしゃる、どれだけ読みましたかというと、ほんの抜萃のよう・・・ 宮本百合子 「婦人の創造力」