出典:青空文庫
・・・フランス革命の立者であるロベスピエールもダントンもエベールも、斬首台にのぼったときは、いずれも三十五、六であったと記憶する。 そして、この働きざかりのときにおいて、あるいは人道のために、あるいは事業のために、あるいは恋愛のために、あるい・・・ 幸徳秋水 「死刑の前」
・・・るの事業は、殊に少壮の士に待たねばならぬ、古来の革命は常に青年の手に依って成されたのである、維新の革命に参加して最も力ありし人々は、当時皆な二十代より三十代であった、仏国革命の立者たるロベスピエールもダントンもエベールも、斬首台に上った時は・・・ 幸徳秋水 「死生」
・・・「ネー、今夜はモロッコの燕の巣をお前にやろう。ダントンがそれを食いたさに、椅子から転がり落ちたと云う代物だ」二 その日のナポレオンの奇怪な哄笑に驚いたネー将軍の感覚は正当であった。ナポレオンの腹の上では、径五寸の田虫が地・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」