[接助]《形式名詞「ところ」+格助詞「で」から》
過去の助動詞「た」の終止形に付く。ある
事態が起こっても、何もならないか、または、好ましくない
状態をひき起こすことを
予想させる意を表す。…しても。…たとしても。「
警告を発した—聞き入れはすまい」「たとえ勝った—
後味の悪い
試合だ」
[補説]「ところで」は中世後期以降用いられ、初めは
順接の確定条件を表した。「人多い—見失うた」〈虎明狂・二九十八〉。近世後期になって、
逆接の
確定または仮定条件が生まれた。近代以降は、もっぱら
逆接の意にのみ用いられ、「ところが」の
領域をも占めるようになった。現代語では、「たとえ」「よし」「よしんば」などの
副詞と
呼応して用いられることが多い。